何気ない日常を綴ります。
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四十九日
 子供の頃、勉強机の引き出しには父の少年時代…たぶん16,7歳の頃の写真が入っていました。
何かで妹の勉強机の引き出しを開けたときに、年のころは同じでも違う父の写真があるのを見つけて
そのことで妹となにやら話した記憶もあります。

とにかく写真の父はその当時の私たちから見てもかなりハンサムだったと思います。
それは現実の"パパ"としてももちろん自慢の父でした。
私は高校卒業後、一人暮らしや父の単身赴任、そして結婚と父とはほとんど一緒に暮らしていません。妹とは6歳離れているのせいもあるのでしょうが長女気質な私は今もその役回りです。
だんなさんの転勤で外国で生活している時を除けば、電車や車で一時間ほどの距離に住んでいましたが、行き来は頻繁ではありませんでした。電話をかけると応対に出るのはいつも父でしたし、かけてくれるのも父でした。
相談したいことがあるときには当たり前のように父に聞こうと思いました。そんな私をよく子供たちも見ているのですね、「おじいちゃんに聞いてみよう!」と会話の中に何気なく出てきます。
実家のダイニングテーブルの父の席にいつも座っていてにこやかに教えてくれました。

こちらにくることになった時には「帰国するまでは何とか元気で頑張るよ!」と言って
この夏に帰った時は、次に会う時は今のように元気な父に会えないかもしれないと涙が止まりませんでした。
それでも、またいつものように父に聞きたいこともたくさんあったのです。

3年前の夏、だんなさんが一足先にこちらに赴任するので家族4人で実家に行った時、一人の写真を撮って欲しいと言った涼しげな開襟シャツを着た父がフォトフレームの中から微笑んでいます。
そしてもう一枚、スーツを着て少しネクタイを緩めてくつろいでいる写真も…
いつ頃撮った写真なのでしょうか?最近のものなのでしょうか?
それでも、スーツ姿の父の方が好きだからと妹が小さな写真立てに入れてくれました。
いつもの父で何も変わらず普段どおりのような気もします。
お正月のお屠蘇は父に注いでもらってお年玉をもらうと子供気分が戻りました。
一生子供でいられると思った瞬間でした。

明日は父の四十九日です。
父は仏様になります。